キャンプ用薪ストーブで、一泊に使う薪の量はどれくらいなのかご存じでしょうか?
初めて薪ストーブを使う方には想像できませんよね。
キャンプ用薪ストーブをこれまで使った経験がある人でも、何度も使ってみないと実際のところはわかりません。
また薪の量は「量」だけでは決まらないのです。
薪の量を決めるには、樹木の種類、ストーブのサイズ、ダンパーと吸気レバーのコントロール技術、求める火力、薪のサイズ、薪のカット法、薪の乾燥期間など多岐にわたります。
それらを総合的にみて判断するしかありません。
初心者さまには難しいですよね。
ではキャンプ用薪ストーブ初心者には、一泊に使う薪の量はわからないのでしょうか。
いいえ、わかりますよ。
今回はキャンプ用薪ストーブ初心者さまでも、一泊で使う薪の量のおおよその目安がつくように、樹木の種類と薪のサイズからわかりやすくご紹介させていただきます。
目次
薪はどこで買うかで燃焼の時間が変わってくる!
これまで石油ストーブを使った経験があれば、燃料である灯油を満タンに入れて、一体どれくらいの時間もつのか、おおよそ見当がつくことでしょう。
それは燃料である灯油を、どこのガソリンスタンドで買っても、同じように燃焼されていくからです。
ところが薪ストーブの燃料である薪は、どこで買うかで、燃焼の時間が変わってきます。
薪は一見、見た目はどれも同じような木材に見えますが、その中身は全く違うのです。
同じくらいの量の薪を燃やしても、全然燃える時間が違うなんてことが普通に起こるのです。
よって薪を「量」だけでは、選ばないようにすることをおすすめします。
一瞬の強力な火力なら針葉樹!長時間暖めるなら広葉樹!
キャンプ用薪ストーブの薪の量に最も影響してくるのが「樹木の種類」です。
薪ストーブの薪には、大きく「針葉樹」と「広葉樹」があります。
この2つは薪としての特徴が全く真逆です。
そのためそれぞれの目的によって使い方が異なります。
こちらでは「針葉樹」と「広葉樹」の特徴から見た薪の量についてご説明します。
①火起こし、一瞬の強力な火力が欲しい時には針葉樹
樹木の特徴からみた薪の量の目安の1つ目は「火起こし、一瞬の強力な火力が欲しい時には針葉樹」ということです。
基本的に針葉樹の薪は、着火に優れていることから火起こしが目的です。
広葉樹と比べて軽いことから、持ち運びやすい薪です。
針葉樹を大量にくべると一瞬で燃え上がり、強力な火力を発生することができます。
また火起こし以外では、キャンプファイヤー、バーベキュー、焼き料理などをメインにされるキャンパーさまに向いています。
ただし燃える時間が短いので、針葉樹をキャンプ場に持ち込むとなると、大量の薪が必要になります。
値段が安いことから、一般的なキャンプ場やホームセンターに行けばすぐに手に入ります。
針葉樹ばかりの時は、多めに持ち込まれることをおすすめします。
②テント内を長時間暖めるなら広葉樹
樹木の特徴からみた薪の量の目安の2つ目は「テント内を長時間暖めるなら広葉樹」ということです。
広葉樹は何から何まで針葉樹とは真逆です。
火付きが悪く、火おこしには向いていません。
また一瞬で強力な火力が欲しい時にも向いていません。
逆に広葉樹は「備長炭」のような質の良い暖かさを、長時間継続して放熱し続けることができます。
火付きは良くありませんが、一度火が付くと、長時間安定的に穏やかな熱を発生させることができます。
広葉樹は身がしっかりと詰まっていることから、ずっしりとした重みを感じます。
そのため持ち運びはラクではありません。
元々の材料が良質なものなので、価格も針葉樹と比べると割高になります。
よって針葉樹と比べた時の広葉樹の薪の量は少なくてすみます。
まとめると一瞬の強力な火力にウェイトをおかれる時には針葉樹を中心に、長時間安定的に暖めることにウェイトをおかれるなら広葉樹中心の薪がおすすめです。
薪のサイズで変わる3つの燃焼時間!
薪はそのサイズによって燃焼時間が異なります。
一般的にホームセンターで売られている薪は「薪割」してあり、平均で直径が5~7cmくらいで女性の手でも、つかみやすいサイズになっています。
また最近は火起こし用の細い薪も売られています。
こちらでは薪の3つのサイズからみた、燃焼時間の長さについてご説明します。
①火起こしや5分ほど燃やすことに向いている細薪
薪のサイズからみた燃焼時間の1つ目の目安が「火起こしや5分ほど燃やすことに向いているのが細薪」です。
細薪とは直径約2cm以下くらいの細枝のような薪のことです。
こちらは本燃焼用でなく、火起こしや5分ほど、ちょこっと燃やしたい時に向いています。
キャンプでは何度か火起こしをしなければいけないので、1泊分として1束は持って行った方がよいでしょう。
②つなぎ火や30分ほど燃やすことに向いている中薪
薪のサイズからみた燃焼時間の2つ目の目安が「つなぎ火や30分ほど燃やすことに向いているのが中薪」です。
中薪とは直径が約3~5cmくらいの枝のような薪のことです。
約30分ほど燃焼してくれ、主につなぎ火として活躍します。
非常に使い勝手が良いので、1泊分として1束は持って行った方が良いでしょう
③じっくり2時間以上燃やすことに向いている太薪
薪のサイズからみた燃焼時間の3つ目の目安が「じっくり2時間以上燃やすことに向いているのが太薪」です。
太薪は直径約10cm以上ある大きめの薪のことです。
ホームセンターなどでは、最近少しサイズが小さい直径が5~7cmくらいの薪がメインで売られています。
できるだけ直径が大きい薪を使うことで、当然燃焼時間は長くなります。
長時間テント内を暖めたい時には、太薪を選ばれた方がよいでしょう。
1泊分として2束以上は持って行った方が良いでしょう
まとめると1泊分として細薪1束、中薪1束、太薪2束以上ほど持って行かれると十分ではないでしょうか。