キャンプ用薪ストーブで、どんな事故が予想されるかご存知ですか?
キャンプ用薪ストーブは、薪を燃やして温めていることから、事故の可能性が高い暖房器具です。
ではキャンプ用薪ストーブは、一体どんな理由から事故が予想されるのでしょうか。
こちらではキャンプ用薪ストーブで事故が起こる8つの理由について詳しくご紹介します。
目次
意外な盲点があった!キャンプ用薪ストーブで事故が予想される8つの理由!
キャンプ用薪ストーブは、熟練者でなければ、扱いが難しい暖房器具です。
そのため扱い方が間違っていると、大事故につながる可能性がいくつもあります。
こちらではキャンプ用薪ストーブで事故が予想される8つの理由についてご紹介します。
①長時間適温を無視して使用する
キャンプ用薪ストーブで事故が予想される1つ目の理由が「長時間適温を無視して使用する」ことです。
一般的な石油ストーブやセラミックヒーターは、温度の限界が決まっています。
そのため最悪、温度が高すぎることが理由で壊れることはありません。
ところが薪ストーブの温度調整は、薪の投入量で決まります。極端にいえば燃焼室の容量いっぱい薪を投入することができます。
すると一気に火力が上がり、適温をあっという間に超えてしまいます。
一瞬であれば良いですが、あまりにも長時間温度が高すぎる状態が続くと、薪ストーブが耐えられなくなり結果壊れてしまいます。
薪ストーブが壊れると、当然様々な事故が起こりやすくなります。
②煙突のメンテナンス不良
キャンプ用薪ストーブで事故が予想される2つ目の理由が「煙突のメンテナンス不良」です。
薪ストーブを使い続けると、やがて煙突にタールが溜まってきます。
特にキャンプ場やホームセンターで売られている薪は、乾燥不足で、水分が多い薪です。
水分が多い薪を燃焼させていると「不完全燃焼」が起こります。
不完全燃焼が起こると、タールが発生しやすくなります。
タールが発生すると温かい空気に運ばれて、煙突を上昇、位置が高くなると冷やされ、煙突の内側にこびりつきます。
このこびりついたタールをそのままにしていると、煙道火災を呼び、事故の原因になります。
最低でも使用した2~3回に一回は、煙突のメンテナンスをすることをおすすめします。
③取り灰の不完全処分
キャンプ用薪ストーブで事故が予想される3つ目の理由が「取り灰の不完全処分」です。
取り灰とは、薪を燃焼させた後に、燃焼室から取り出した灰のことです。
取り灰は一見、薪が完全に燃え尽きているように見えますが、灰の中には小さな炭火が隠れていることがあります。
取り灰を取り出したら、必ず金属製の灰取り缶に入れてください。
夜間などに、取り灰をそのままテントの外に放置されると危険です。
最悪、灰の中の小さな炭火が、枯草に引火して、燃え広がり火災事故につながるおそれがあります。
④低温炭化
キャンプ用薪ストーブで事故が予想される4つ目の理由が「低温炭化」です。
低温炭化とは、薪ストーブから放熱される輻射熱によって、木材などが長時間熱せられると「炭化」してしまうことです。
低温炭化は簡単に起こりやすく、薪ストーブの陰に隠れて見えない場所にある木材など、気がつくと低温炭化を起こしていることがあります。
よって薪ストーブの周囲は低温炭化火災事故防止のため、ぐるりと何もない空間を空けておくようにしましょう。
⑤燃やせない燃料を使う
キャンプ用薪ストーブで事故が予想される5つ目の理由が「燃やせない燃料を使う」ことです。
薪ストーブの燃料は、基本的に薪や枝などの樹木由来の燃料です。
ところが同じ樹木が材料だからということで、コンパネ、べニア板、塗料で塗装された板、接着剤で接着させた集成材、防腐や防蟻処理がされた薬品浸透材を燃やすと大事故につながる可能性があります。
特に薬品が使われている木材は、燃焼させることで有毒なガスを発生させたりします。
またプラスチックなどの石油製品などを燃焼させると、こちらも有毒ガスを出したり、
薪ストーブから火が飛び出すほど火柱が上がる可能性があり大変危険です。
⑥燃焼室での不完全燃焼からの一酸化炭素中毒
キャンプ用薪ストーブで事故が予想される6つ目の理由が「燃焼室での不完全燃焼からの一酸化炭素中毒」です。
一般的に薪ストーブは、煙突と二重燃焼構造があることから、一酸化炭素が発生しにくい暖房器具です。
ところが、燃焼室内で不完全燃焼が起こると、一酸化炭素が発生して一酸化炭素中毒になることがあります。
主な理由は、燃料が湿っていたり、燃焼室内に酸素が足りない場合などです。
一酸化炭素が、テントのような狭い空間で充満してしまうと、大事故につながるおそれがあります。
⑦突風による排煙の逆流
キャンプ用薪ストーブで事故が予想される7つ目の理由が「突風による排煙の逆流」です。
テントを設置した場所が、強風地帯だったり、天気が荒れている時には、煙突の先端から突風が入ってきて、排煙が逆流します。
排煙が逆流すると、当然燃焼室内の炎は消え、炭火が残り、一酸化炭素が発生しやすくなります。
排煙が逆流しているので、燃焼室内で発生した一酸化炭素は、薪ストーブの吸入口やわずかな隙間から逆流してテント内に充満します。
これにより一酸化炭素中毒事故が起こりやすくなります。
⑧燃焼室内の酸素不足による酸欠
キャンプ用薪ストーブで事故が予想される8つ目の理由が「燃焼室内の酸素不足による酸欠」です。
こちらは一酸化炭素中毒とは関係ありません。
薪ストーブは、薪を燃焼させれば燃焼させるほど多くの酸素を必要とします。
野外で薪ストーブを燃焼させている時は、酸素は十分あるので問題はありません。
ところが締め切った狭いテントの中で、ガンガンに薪を燃焼させていると、一気にテント内の酸素を使い果たしてしまいます。
気が付くと酸欠状態になり、大事故になるおそれがあります。